近年、Web制作は副業ジャンルとして注目を集めています。
「自宅でできる」「パソコン1台あれば始められる」などの理由から、未経験からチャレンジする人も少なくありません。
また、広告やSNSでは
「たった3日でWebデザイナーに」
「1ヶ月で月10万円稼げる」
といった夢のようなキャッチコピーが並び、それに惹かれてWebスクールに通う人も多いのが現状です。
しかし、現実はそんなに甘くありません。
私自身、Webデザイナー・ディレクターとして15年以上の経験がありますが、
フリーランスとして仕事を受けられるようになるまでには、それなりに長い時間と努力が必要でした。
だからこそ今、
「なぜ副業でWeb制作を始めても稼げない人が多いのか?」
「どうすれば稼げるようになるのか?」
という現実を、きれいごと抜きで、正直にお伝えしたいと思っています。
なぜ「稼げない」のか?よくある4つの落とし穴
1. スキルはあるけど営業ができない
いくらWeb制作のスキルがあっても、自分で仕事を取ってこられなければ収入はゼロです。
私も最初は「ホームページを作って公開しておけば、誰かが見つけてくれるだろう」と思っていました。
でも、誰にも見られないサイトは、山奥にある無人の店と同じです。商品がいくら良くても、そこにたどり着く人がいなければ売れません。
結局、SNS発信・SEO対策・知人からの紹介など、何かしら“自分から動く”ことが必要なんですよね。
待っていても、誰も仕事を運んできてはくれません。
2. 低単価案件から抜け出せない
クラウドワークスやランサーズで仕事を探す人は多いですが、あの世界は競争が激しすぎます。
「ホームページ10ページで3万円」なんて募集もざらにあって、時給換算すれば数百円。
最初は「安くても実績になるなら…」と割り切って受ける人も多いでしょう。私もそうでした。
でも、2回目・3回目と続けると**「これバイトした方がマシじゃない?」と虚しくなってくる**んですよね。
しかも、安さで寄ってくるお客さんは、クセが強い・要求が多い・トラブル率高めの傾向があります。
私自身も、安さにつられて案件を受けて、痛い目にあった経験があります。
だから今は、どれだけ困っていても“安すぎる案件”は受けないと決めています。
3. 実績やポートフォリオが弱い/見せ方を知らない
せっかくホームページに訪問してもらっても、実績やポートフォリオが弱いと「この人に頼むのはやめておこう」と思われてしまいます。
「まだ案件がないから、載せるものがない」という人も多いですが、それなら架空サイトを作ればOK。
模写は避けた方が無難です。パクリに見えたり、著作権の問題が出ることもあるからです。
たとえば、「美容室のサイト」「カフェのLP」など、ジャンルを絞った架空案件を“自分の世界観”で作ると、見る人に印象が残ります。
4. 継続案件につながらない「単発ばかり」
私自身、たまに案件は来ても、1回きりで終わってしまうことが多くありました。
Web制作って、基本的に「納品したら終了」の仕事です。
単発だけだと、毎月ゼロから探さないといけなくなるので、収入は全然安定しません。
その中で気づいたのが、「運用保守をセットで提案する」ことの重要性です。
たとえば、WordPressの更新や簡単な修正を月5000円〜1万円で請けるなど、継続的な関係性を築けるとだいぶ変わってきます。
「一緒にサイトを育てていく」視点を持つと、信頼も増し、仕事も安定しやすくなります。
じゃあ、どうすれば稼げるようになるのか?
ターゲットを明確にする(誰に売るかを決める)
Webサイトを作るときも「誰に見てもらうか?」を考えますよね。
副業もまったく同じ。自分のサービスを「誰に届けるか」を明確にしましょう。
たとえば…
-
地域の中小企業の社長向け?
-
女性起業家向け?
-
飲食店向け?
…など、性別・年代・職業・悩みを具体的にしておくことで、刺さる提案ができるようになります。
営業・提案力も“スキルのひとつ”と考える
営業は会社で花形の職種とされます。それは「売上を作れるから」。
実は、Webデザイナーやディレクターも“売上に貢献できる人”であれば重宝されます。
私もフリーランスの初期はこの営業スキルに悩みましたが、どう伝えれば「頼みたい」と思ってもらえるかを意識することで、受注率が変わってきました。
信頼を生む発信やプロフィール設計が効く
発信力も重要です。SNSやブログ、ポートフォリオで「この人、信頼できそう」と思われなければ仕事は来ません。
-
ブレない価値観
-
経歴や制作物の透明性
-
顧客視点のアドバイス
これらがあるだけで、見込み客の印象はガラッと変わります。
単発→継続につなげる意識で動く
最初の案件で終わるのではなく、「またお願いしたい」と思ってもらうことが大切です。
小さな工夫や気遣い(使い方の説明、次回の提案、アドバイス)を通じて、「この人と付き合っていくとメリットがある」と思ってもらえれば、継続案件や紹介につながるチャンスが生まれます。
筆者の実体験から学んだ“稼ぐ流れ”
私は、訓練校を出たあとに、バイト→派遣→正社員→副業フリーランスという流れで、Web業界で少しずつ経験を積んできました。
ただ正直に言うと、訓練校やバイト・派遣の段階では、まだまだ腕も実力も中途半端でした。
副業でしっかりと稼げるようになったのは、正社員として現場で本気の制作を経験し、スキルを磨いてからです。
プロとして自信を持てるようになると、
-
「これはプロの仕事です」と堂々と言える
-
値段をしっかり提示できる
-
安売りの交渉にも流されずに済む
といった**“稼げる土台”がようやく整ってきたのを実感しました**。
最初はバイトでも「実践経験を積むこと」が最優先
訓練校を出たばかりの頃の私は、まさに「素人に毛が生えた程度」の実力でした。
Web制作って、一見それっぽく見せることはできますが、実務で通用する力は別物なんですよね。
これは美容師さんで例えると分かりやすくて、
美容専門学校を出たばかりの人が、いきなり高額でお客さんの髪を切ったりしませんよね。
最初は無料や格安のカットモデルで経験を積みながら、徐々に本番のステージへ進んでいきます。
Web制作もまったく同じで、最初は“場数”をこなすことが何よりの成長につながります。
安定し始めたのは「相談される側」になってから
本当に仕事が回りはじめたのは、「あの人に頼めば大丈夫」と思ってもらえるようになってからです。
これは、正社員としての実績を重ね、フリーランスとしても一定の成果を出せるようになったあとのことでした。
あるときから、知人や過去のクライアント経由で
「小林さんっていう人がいるよ」
と口コミや紹介が自然に発生するようになり、継続的に副業の依頼が入ってくるようになりました。
この段階に入ると、単発の依頼を探す必要も減り、**「営業しなくても選ばれる立場」**に近づいていきます。
H2:まとめ|「稼げない副業」には理由がある。でも、変えられる
副業としてWeb制作を始めたものの、思うように稼げない——。
それはあなたにセンスがないからでも、才能がないからでもありません。
ただ、稼げない人には「稼げない行動パターン」があるだけです。
この記事で紹介したように、
-
ターゲットが曖昧なまま動いてしまう
-
安すぎる案件で消耗してしまう
-
見せ方や伝え方を知らないまま動く
-
継続案件への視点が足りない
-
自分だけの満足で終わってしまう
……こうした壁に、多くの人がつまずきます。
そして、それは少しずつ戦略と考え方を変えていけば、必ず抜け出せるものです。
私自身、訓練校・バイト・派遣とコツコツ経験を積み、
正社員として腕を磨き、副業で安定した収入を得られるようになりました。
もしあなたが今、「このままじゃだめだな…」と感じているなら、
今日からでもできる小さな行動を変えていきましょう。
-
自分の得意な分野を絞ってみる
-
架空案件でもいいからポートフォリオを作ってみる
-
SNSやブログで、自分の考えや実績を丁寧に発信してみる
副業で稼ぐには“武器”が必要ですが、その武器は自分の行動で育てることができます。
小さな一歩を、ぜひ今日から。
コメント