ホームページのリース契約はやめとけ。中にいた僕が見た“高額なのに報われない仕組み

「月々3万円でホームページが持てます」

そう聞くと、「お、意外と安いかも」と思うかもしれません。
だって、ホームページって50万〜100万円くらいかかるイメージ、ありますよね?

でも実際のところ、今どきのコーポレートサイトなら、30万〜60万円もあれば十分に作れます
なのに「月々3万円」というリース契約を結ぶと、5年間の支払いで総額180万円にもなります。

――え、車買えるやんけこのホームページ。

「でも、それだけお金かけるなら、ちゃんと効果あるんじゃないの?」
たしかに、結果的に問い合わせが増えたり、売上アップにつながるケースもあります。

でも、それはあくまで一部の話。

なぜ断言できるのか?

実は僕、この“リース契約”を主軸にしていた制作会社でWebディレクターとして働いていたことがあるんです。
でも、その会社は1年で辞めました。あまりにも違和感が大きかったからです。

今ならはっきり言えます。
この仕組み、**多くの中小企業にとっては「割高で、成果が見えにくい契約」**です。

当時の僕も、「これはおかしい…」と感じながら、ずっと葛藤していました。

目次

ホームページリース契約の仕組み

先ほども少し触れましたが、ここではもう少し詳しく「ホームページのリース契約」について説明します。

月3〜5万円 × 60ヶ月(5年契約)=最大300万円近く

よくあるのが、**「月々3万〜5万円でホームページが持てます」**という営業トーク。
一見すると、初期費用がかからず、月額もそれほど高くないように感じるかもしれません。

ですが、注意すべきはその契約期間です。

仮に月額3万円で5年契約をすると、
3万円 × 60ヶ月(5年)=180万円

もし月額5万円だと、総額300万円近くにもなります

初期費用ゼロのカラクリ――実は“総額がべらぼうに高い”

営業の電話などでよく聞くのが、
「初期費用は0円です!月々わずかでホームページが持てますよ!」
という甘い言葉。

でも、ちょっと待ってください。

実際、ホームページの相場はどれくらいかというと、
25万円〜60万円程度で、一般的な10ページ前後のコーポレートサイトが作れます。
もちろん、お問い合わせフォームやお知らせ機能も含まれています。

それがリース契約になると、総額は180万〜300万円にも膨れ上がる。
つまり、普通に頼むよりも“最大で5倍近いコスト”を支払うことになるんです。

これ、本当にお得だと思えますか?

リース契約にするため「CMSソフトのCDを納品」=形式的に“物”扱い

そもそも、なぜこんな割高な契約が成立するのでしょうか?

それは、「リース契約」という形をとるために、“物品の貸し出し”という形式に無理やり当てはめているからです。

たとえば、リースが組めるのは、本来はコピー機やパソコンなどの実体のある機器。
でもホームページは“形のないサービス”です。

そこで一部の業者は、CMS(コンテンツ管理システム)などのソフトをCD-ROMなどに焼いて、「物品」として納品することで、形式上の「モノの貸し出し契約」に仕立て上げるのです。

これにより、リース契約が可能となり、表向きは合法。
でも実態としては、“見えづらい高額ローン”を組まされているのと変わりません

リースのホームページの中身:本当にそれだけの価値があるのか?

月額3万円の中に「修正費も含まれているからお得ですよ」と言われることがあります。
たしかに、ホームページの更新作業にはコストがかかる…という説明も一見納得できそうです。

でも、ちょっと冷静に見てみましょう。

実際の更新頻度は?ほとんど発生しません

ホームページの維持に必要な費用は、以下のようなものです。

  • ドメイン代:年間3,000円ほど

  • サーバー代:月1,000円前後

  • ちょっとした修正:1時間あたり3,000〜5,000円程度

たとえば、「月に10時間分も更新作業をお願いする」なんてことがあるなら、リース契約もまだ理解できます。

でも、実際にはほとんどの企業が月に1〜2回、数分の修正を頼む程度
つまり、都度払いの方が圧倒的に安く済むケースが多いのです。

独自CMSがクセモノ。誰も触れず、結局放置

多くのリース業者では、「当社独自のCMS(コンテンツ管理システム)付きです」と説明されます。
でも、そのCMSが非常に使いづらかったり、操作が難しすぎたりすることも珍しくありません。

結果、こうなります。
「誰も更新できない」「結局、業者任せになる」

本来、WordPressなどの一般的なCMSであれば、無料で使えて、別の制作会社に引き継ぐことも比較的簡単です。
しかし、独自CMSだと、他社では扱えず、その業者に依存せざるを得なくなるのです。

ドメインもサーバーも「人質」状態にされるリスク

さらに注意すべきは、ドメインやサーバーの契約者が制作会社になっているケース

たとえばリース会社が「ドメイン・サーバー費用もこっちで負担しますよ」と言ってくることがあります。
でもその実態は、たった月1,000円程度のコスト

問題はそこではありません。
ドメインやサーバーを制作会社の名義で契約されていると、その会社が倒産した場合、あなたのホームページが消えるリスクがあります。

実際、僕の知り合いには「300万円払ったのに、業者が潰れてホームページが完全に消えた」という人もいます。

売上がすべてだった、あの会社の営業体制

僕はかつて、あるホームページ制作会社に在籍していました。
社内はとにかく売上至上主義。営業成績がすべてを決める、そんな職場でした。

もともと光◯信系の文化が色濃く残っていたようで、数字が取れない人への“詰め”は日常茶飯事。精神論・気合い・根性といった昭和の営業スタイルが、まだ息づいていたのです。

テレアポ地獄と、貼り出される営業成績

営業の手法は基本テレアポ。毎日ひたすら電話をかけ、契約を取るまで止められない。
各自に厳しいノルマが課されており、達成できなければ、延々と上司に詰められる。

中には、入社初日に詰められて、そのまま辞めてしまう人もいました。
営業が契約を取ると、その名前が社内の壁に貼り出され、称賛の対象に。
でもそれは同時に、他の社員へのプレッシャーにもなっていたのです。

求人には「年収1000万円」――でもその原資は誰のお金?

この会社の求人には、「年収1000万円も可能」といった文言が堂々と書かれていました。
もちろん、それはウソではないと思います。実際に稼いでそうな営業もいました。

でも、その原資はどこから来ているのか?
言うまでもなく、リース契約で高額な費用を支払ったお客様のお金です。
営業が成果を出せば、それがそのまま給料になる。
だからこそ、多少強引でも「売れば正義」という空気が社内に蔓延していました。

「この価格、高すぎませんか?」と尋ねた僕への返答

僕はある日、上司にこう聞いてみました。
「このホームページ、ちょっと価格が高すぎませんか?」

すると返ってきたのは、「問題ない。ちゃんと成果が出てる会社もたくさんある」との答え。
その場で“成功事例集”のようなファイルを見せられました。

でも、正直な話――その成功事例は、体感で15社に1社くらい
大半は効果を実感できず、ただ高いお金を払い続けるだけなのです。

リースで作られたホームページの実態は「中身は普通・価格は5倍」

リース契約だからといって、特別な制作がされているわけではありません。
見た目は普通のホームページ。SEO対策といっても、自社が持つメディアサイトからリンクを貼るだけのもの。

昔は「Yahooビジネスエクスプレス」に登録するだけで検索順位が上がった時代もありましたが、
今はそんな単純なものではありません。

それでも、「SEO対策込みです」と言って、高額なリース契約を結ばせる
実際の中身を知っている社員たちも、「高すぎるな」と内心思っていたはずです。
でも、売上になる以上、それを疑問視する人はいませんでした。

「詐欺」「ぼったくり」とネット上では叩かれていた

ある日、会社名でネット検索してみたんです。
すると、2ちゃんねる(現・5ちゃんねる)で大量のスレッドが出てきました。

「詐欺だ」「高すぎる」「全然成果が出ない」「返金されない」

そんな書き込みばかり。
お客様からの怒りと恨みの声が、画面に溢れていました。

「こんな仕事、もう無理だ」と思って辞めた

それを見た瞬間、僕はショックを受けました。
「こんなに嫌われる仕事を、僕は本当にやりたいのか?」

答えはNOでした。
そして、すぐに退職を決意しました。

もちろん、当時一緒に働いていた人たちも、実情を分かっていたと思います。
でも「売れれば正義」「給料になるならOK」という感覚が支配していた。

僕には、それがどうしても合わなかった。
今振り返っても、あのとき会社を離れてよかったと思っています。

【まとめ】リース契約の実態と、ホームページ制作で本当に大切なこと

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

私はかつて、ホームページのリース契約を主軸とした会社で働いていた経験があります。
営業成績がすべての会社で、テレアポと売上至上主義に疲れ果て、最終的には「これはお客様のためになっていない」と感じて退職しました。

表向きは「初期費用0円」「月々3万円でお得」と謳われていても、実際には総額で180万〜300万円を支払う契約
中身は特別な制作ではなく、成果が出るのはほんの一部。
しかも、独自CMSや名義管理によって、会社を変えることもできず、後戻りできない構造になっていることが多いのです。

もし、これからホームページを依頼される方がいれば、どうかリース契約の甘い言葉にはご注意ください
「初期費用を抑えたい」というお気持ちは理解できますが、結果として大きな損失になる可能性があります。

そしてもちろん、私のところではリース契約は一切行っておりません
真っ当な制作を、適正な価格で、必要なサポートだけを提供する。
それが、長く信頼されるホームページ制作だと信じています。

どうか、あなたの大切な予算と時間が、きちんと実を結びますように。
そのために、正しい情報と選択をしていただけたら嬉しいです。

 

 

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

小林のアバター 小林 Program mind 代表

Webディレクター、Webデザイナー歴10年以上で中小企業のWebサイトを改善を多く行ってきました。コンテンツメディア10万pv達成、youtube収益化達成。WEB制作、ブログ、Youtube、instagram、Xなどの仕事や副業の情報を発信。

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次