「Webデザイナーはオワコン」といった声を耳にすることが増えました。
現役デザイナーである私自身も、一部の現場で不安を感じる瞬間があります。
しかし、本当にそうなのでしょうか?今回は現場で感じる変化と、今後もWebデザイナーとして価値を出し続ける方法についてお話しします。
Webデザイナー不要論の背景 仕事がなくなるかも!?と実感することを紹介
テンプレートの普及、無料作成サービスによってWebデザイナーはいらなくなった
最近では、jimbo・wix・BASEなど、無料でホームページを作れるサービスが増えています。
「できるだけ費用をかけず、シンプルなサイトで十分」と考える人にとっては、こうしたサービスで十分なのです。
※コーポレートサイトはそうもいきません
ただし、Webデザイナーにとって脅威なのは、それらのテンプレートのデザイン品質が年々向上している点です。
今はまだ「ちょっとダサいな」と感じるテンプレートも多いですが、プロ並みの仕上がりになる日が来れば、わざわざ外注する必要がなくなるかもしれません。
たとえば、WordPressの有料テーマ「TCDシリーズ」は、デザイン性の高さから非常に人気があります。
実際、私もクライアントから「TCDで十分」と言われた経験があります。
確かに、4〜5万円で完成度の高いデザインが手に入り、「誰でもすぐにプロっぽいサイトが作れる」とうたわれています。
ですが、私がいざ導入してみると意外と設定が複雑で、思ったように仕上げるには知識と手間が必要です。
「見本どおりにして」と言われても、「この設定はどこだっけ?」とつまずくことも多々あります。
それでも、テンプレートの進化がWebデザイナーにとって脅威であることは間違いありません。
Webデザインの「オリジナル性」は薄れてきているかも…
時代の流れとともに、Webデザインはどんどん洗練されてきました。
昔、特に2010年頃までは、**日本のサイトは「海外と比べて野暮ったい」**という印象が強かったです。
でも今は、「これ海外のサイト?」と思うような、スタイリッシュな日本のサイトも増えています。
一方で、似たようなデザインのサイトも増えていると感じます。
共通のレイアウトや配色、構成が多くなり、個性が薄まっている印象です。
この“似たものデザイン”がテンプレ化されてしまえば、Webデザイナーの出番が減ってしまう可能性もあると、個人的には危機感を覚えています。
AIによって自動化が近づいている…
これまでホームページはHTMLやCSSで手作業でコーディングしてきましたが、最近ではAIがその一部を代行できるレベルにまで進化しています。
特に、ハンバーガーメニューの動作や「ページトップへ戻る」ボタンなど、シンプルなUIパーツはAIが自動で作成できる時代になってきました。
正直、「デザインよりもコーディングのほうが先にAIに置き換わるかも」と感じています。
※実際に私はAIのコーディングツールを使ってコーディングしています。HTML部分は自分でやりますが、CSSやJavaScriptはAIのコーディングが早いので指示をしてコーディングをしています。
さらに、デザインの領域でも自動化の波は押し寄せています。
すでに、アイコンやレイアウトを自動生成するツールも登場しており、クオリティも年々向上しています。
とはいえ、まだ「人間の手にはかなわない」部分もありますが、シンプルで汎用的なデザインは今後どんどんAIによって自動化されていくでしょう。
難しいデザインはまだまだ人間の手が必要です。
Webデザイナーの仕事は本当に無くなるのか?――私はそうは思いません。
「Webデザイナーの仕事は無くなるかも…」と感じることもありますが、実際に現場で働いていると、しばらくは無くならないだろうという実感があります。
その理由は、お客さんの多くが「オリジナル性のあるWebサイト」を求めているからです。
ちゃんとした会社はWebサイトにオリジナル性を求める テンプレートでは対応しきれないニーズがある
確かにテンプレートや自動生成ツールの進化は目覚ましく、低コストで一定クオリティのサイトは作れるようになっています。
ただし、中規模~大規模企業や独自性を重視するブランド企業は、テンプレートを選びません。
なぜなら、テンプレートには「汎用性はあるが独自性がない」という欠点があるからです。
企業のブランディングを考えるうえで、「他社と似たようなデザイン」では信頼を損なう可能性もあります。
有名企業がテンプレートを使っていたことがバレたら、
「こんな大手がテンプレ? コスト削減しすぎじゃない?」
「見せたいことが何もない会社なの?」
と思われかねません。
だからこそ、オリジナル性のあるデザインを提供できるWebデザイナーの価値は、今後も残り続けると考えています。
オリジナル性のあるデザインを作れるWebデザイナーは生き残る
今後も求められるのは、「テンプレートにはない独自性を持ったデザイン」を生み出せるWebデザイナーです。
テンプレートとほぼ同じような見た目しか作れないようでは、いずれAIや自動化ツールに仕事を奪われてしまうかもしれません。
だからこそ、オリジナリティを持った提案や、企業のカラーを反映できるデザイン力が必要になってきます。
AIにはまだできないことがある
AIが苦手とするのは、「言外のニュアンスを汲み取ること」です。
たとえば、クライアントが「かっこいいデザインでお願いします」と言ったとき、その“かっこよさ”のイメージは人によって違いますよね。
AIに指示しても、その人の感性まで汲み取ることはできません。
だからこそ、ヒアリングを通して相手の意図を読み取り、それをデザインに落とし込めるWebデザイナーやディレクターの価値は、今後も変わらず必要とされ続けるでしょう。
なので、お客さんにヒアリングをする【Webディレクター】【Webデザイナー】の仕事はなくならないのです。
AIでは対応できない、細かなプログラミングとヒアリング力
AIが得意なのは、あくまで「汎用的なコード」の自動生成です。
しかし、実際の案件では細かな調整や、クライアントごとの特殊な要望に応える必要があります。
この部分には、ヒアリング力と理解力が欠かせません。
つまり、クライアントの意図をくみ取って設計・実装できるフロントエンジニアやバックエンドエンジニアの仕事は、今後も残り続けるでしょう。
判断は最終的に人間がするもの
AIがデータをまとめてくれる時代ですが、たとえばGoogleアナリティクスでどんな数字が出ても、「じゃあ何をすべきか?」を考えて意思決定するのは人間です。
AIは責任を取ってくれませんし、施策のリスクや優先度をどう判断するかは、現場の人間にしかできない仕事です。
中小企業には自動化ツールの導入コストが高すぎる
さらに、自動化ツールがいくら便利でも、導入コストが高いという現実があります。
たとえば、アナリティクスの自動分析ツールで月額10万円するものもありますが、小さな会社にとっては高すぎます。
「それなら社員にやらせるわ!」となるのが普通ですよね。
結論:柔軟に対応できる人材は、これからも求められる
だからこそ、ヒアリングしながら設計し、状況に応じて柔軟に動ける人材は、AI時代でも重宝されるのです。
Webデザイナーの仕事がなくなる?心配なら今すぐ行動を変えよう
「Webデザイナーの仕事がなくなるかも…」と不安になるなら、まずは日々の行動を見直すことが大切です。
不安に思っているだけでは、何も変わりません。
単純作業ばかりでは淘汰される時代
仕事がなくなるのでは…と心配している人の多くは、下働き的な作業しかしていないWebデザイナーです。
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コーディング → AIや自動化ツールで代用可能
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簡単なデザイン → ノーコードツールやテンプレートが進化中
つまり、誰でもできる作業をしていると、あっという間に後輩やAIに追い越されます。
Webデザイナーとして日々レベルを上げていこう 毎日の仕事を「ちょっとだけ」変える
でも、大丈夫。やるべきことはシンプルです。
日々の仕事で「今の自分より少し良いもの」を目指すこと。
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クオリティを1段階上げる
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クライアントの期待を1つ超える
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コードを1つキレイに書く
この積み重ねがスキルを伸ばし、「仕事がなくなる不安」を遠ざけてくれます。
私の先生も成長を止めた人でした
ちなみに、昔お世話になった職業訓練校の先生の中には、全くスキルが上がっていない方もいました。
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サイトは昔のまま
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SEO対策なし
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記事の構成も古い
成長しないままだと、どんなに教える立場でも取り残されます。
Webデザイナーとして、色々なスキルを高めよう Webデザイナーは成長の幅が広い職業
Webデザイナーは、伸ばせるスキルの幅がとても広いのが魅力です。
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プログラミング力を伸ばせば → フロントエンジニアへ
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進行管理スキルを伸ばせば → Webディレクターへ
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マーケティングを学べば → Webマーケターへ
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イラストも描ければ → デザイナー兼イラストレーターへ
こうしたスキルの掛け合わせが、AIにも代替できない存在を作ってくれます。
オワコンの不安があるなら、今日から少しずつ成長を
私も不安がゼロなわけではありません。
でも、その気持ちをバネにして、今も日々努力しています。
あなたも一緒に、**「少しずつ成長すること」**を意識してみませんか?
それだけで、未来は大きく変わります。
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